ご提案内容 |
シロアリの被害
この建物は、神戸の観光の中心地である北野坂と異人館通りの交差する角に建つ、北野界隈の景観に非常に大きな影響のあるビルです。
オーナー様は数年前にこのビルを購入し、自らは上層階にお住まいです。
しかし、快適に生活できていたはずがいつからか部屋の様子に異変を感じるようになりました。
なにか変だと注意して見ていると巾木など木の部分にぽつぽつと小さな穴が空いていることに気づきました。原因がまったく分からないので当社に調査を依頼されたところ、まったく思いもよらない事態に見舞われていました。
問題の巾木を調査のためにめくってみると、なんと大量のシロアリが出てきたのです。ビルの上層階でこのようなことがあるとは思いもよらなかったようでオーナー様は大変驚いていましたが、実際には木製の巾木などはもちろんテーブルの脚の内部などはきれいに空洞に!
ただ事ではないと関係者一同も気づき、さらに本格的な調査を開始しました。
後から分かったことですが、通常シロアリは地面から這い上がってくるので被害は比較的低層階に集中するのですが、このケースでは空中から屋上へ飛来し、上から下へと建物を侵食していったのです。
原因を探る
とにかく建物全体にどの程度被害が及んでいるかを明らかにする必要がありましたが、そう簡単にことは運びません。目視ではシロアリに食い破られた箇所や蟻道を確認することができるのですが問題は、
①シロアリによって食い破られた防水のためのコーキングを辿り、さらに蛍光塗料で何色かに色分けされた着色水をさまざまな箇所から流すことでシロアリ侵入のルートを特定する。
②これが一番重要なのですが、そもそもの原因である女王アリを駆除する。
侵入ルートについては入念な調査により明らかになり、目的の1つはは比較的容易に達成されました。もう一つの難題である女王アリの駆除方法は、毒エサを仕掛け、働きアリが巣に持ち帰って女王アリに食べさせるというやり方です。シロアリの集団は、女王アリが死ねば消滅します。
難しいのは、ふだん目に見えないところに潜んでいる相手が全滅したことをどうやって確認するか。
調査の開始時は6月頃でしたが、毒エサ作戦の戦果を確認するのは、次にシロアリが活発化する次の年の5月頃まで待つ必要があります。その頃にシロアリの存在が確認できなければ作戦成功!
当社は晴れて大規模修繕を受注することができます。
1年の間に月に2回毒エサが仕掛けられ根気強くモニタリングが続けられました。
そして1年が経ち、再調査の結果、シロアリは死滅!! その後は速やかに、元の建物の意匠を尊重しながら防水・外壁塗装工事が行われ美しい外観を取り戻すことができました。 |
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